旬処 いさ路の中村社長にお話を伺いました


こんにちは、久しぶりの晴れ間がひろがり気温はぐんぐん上昇。今日は仙崎市場情報ではなく長門市の海鮮料理が楽しめるお食事処をご案内しますね。

やってきましたのは長門市三隅(みすみ)の『旬処いさ路(いさじ)』さん。お会いしたのは代表取締役社長の中村勇夫さんです。お昼の営業前に伺いました。評判の日替わりランチの準備や仕出し弁当をスタッフが手際よく盛りつけしている真っ最中です。「仕込みが終わって一息ついたからいいよ~」と気軽に応じていただきましたが、暖簾をくぐった瞬間これはたいへんな時間に訪れてしまったと恐縮しきり。

今回のコラムは食事処としての紹介より、中村勇夫社長そのものにスポットをあてました。といいますのは、お食事処としての基本的な情報やメニューのレビューなどをumisachiがつらつらと書くより、グルメサイトの食べログをご覧頂いた方がまとまっているからでして、ここでは独自の視点からお届けしたいと思います。

さて、旬処いさ路さんの開店は平成19年7月9日、この夏から7年目に入りました。地元のお客様に支持され、創業来の業績は右肩上がりです。中村さんは開業前まで仙崎漁協の職員さんをしていました。青海島にあった漁協直営の「海上レストラン紫津浦(しずうら)」の板前さんです。
*海上レストラン紫津浦は現在閉店しています

今から6年前、漁協を退職されて独立されたのが40代後半。店舗を構えた三隅という場所は海の近くじゃなく、確かに小島、野波瀬漁港は車で5分のところにありますが、どちらかといえばそのロケーションは海山の中間です。この国道191号線は今でこそ長門と萩を結ぶ幹線になっていますが、旧道に比べて沿道は田畑が多く、現在も民間の店舗が増えているとはいえません。ここで活魚中心の料理屋を開業することに戸惑いはなかったのでしょうか。そのあたりの質問を投げかけたところ、嫌な顔を見せずに答えてくださいました。

「地元の三隅で店をだしたかった」

明解な言葉だから、そこに含まれる葛藤の場面は数千枚に及びます。前職を辞めるいきさつから独立に向かい、いさ路の灯りが燈った瞬間から、後には引けぬ圧力が中村さんにかかりました。住み慣れた土地の空気が心地よいと感じるよりも、夏の熱気が否応なしに上から降ってくるような、当時を振り返って思い浮かべることは、来店してくださるお客様においしい料理を振る舞いたいの気持ちだけだったと。

周りが心配するくらい体重を落とされたようですが、開店から1年たつ頃から中村さんの信念に間違いはなかったことが証明されます。提供する料理の素材、バリエーション、価格、メニューの構成、中村さんの探求はいまでも続きます。現在は定番メニューが数ページに渡り、季節メニューは春夏秋冬の4シーズンで入れ替え。来店されるお客様は地元の方が多く、三隅、深川、仙崎をはじめとする市内各地、また、おとなり萩市の常連さんもいらっしゃいます。かといって郊外の顧客や観光客が皆無というわけではございません。

中村さんのいさ路に対する方針は、長門で獲れる新鮮な素材を気軽に食べていただける価格でお届けするものです。魚介類は当ブログで紹介している仙崎市場に立てられる食材です。マダイ、マアジ、イサキ、ヒラマサ、イカ、タコ、アナゴにフグ、ウニ、サザエ、オールスターズなので書ききれません。さらに野菜、お米、鶏肉も長門の食材です。地元食材だから安いということでもなく、ものによれば首都圏の数倍はします。お魚ひとつを取り上げても、相場はつねに変動してますよね。この数か月で3倍になっている魚種もありました。それでも地元産にこだわり、メニューを見たお客様が料理を注文する場面を考えて創作する姿勢に強く惹きつけられます。

1時間あまりお話をうかがっていたところ、慌ただしくなりはじめました。いくつか写真を撮りましたので掲載しておきましょう。

 

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