まき網船団、協同丸の出漁に同行しました


こんにちは、今日も快晴ですね。台風3号が東の海上へ右折してくれたので風が強くなく、漁には絶好の日和じゃないでしょうか。
さて、今週の月曜日、6月10日の夕刻からまき網漁業の取材に同行しました。これは、長門の漁業を記録しておくというもので、ながとてれびさんにご協力いただきました。今回、私たちを快く迎え入れてくださったのは、長門市の一番東側に位置する野波瀬支店の㈱協同丸水産、石村哲也さんです。

 

 

では簡単にまき網漁業についてご説明しましょう。「まきあみ」という言葉通りにご解釈くださいませ。マアジなど魚の群れを逃がさないように網で取り囲んだ後、その網を徐々に狭めて魚を獲る漁法なのです。旋網船団の構成は網船、運搬船、魚群探索船から成ります。協同丸さんは、網船が1隻、そしてこぎ船1隻、灯船(ひぶね)兼魚群探索船2隻、運搬船2隻の6隻体制で出漁します。業界用語になってしまいますが、このまき網船団のことを「1カ統(いっかとう)」と呼び、長門では協同丸さんが2カ統で操業されています。

 

今回私たちはその内のひとつ、第8協同丸さんの網船に同乗させていただきました。野波瀬出港時刻は16時ですが、すでに灯船、魚群探索船は漁場に出ています。まき網船団の出漁はいろいろな決まりや条件があり、例えば、山口県では中型まき網漁業の禁漁期間(12/16-3/15)が設けられていますし、海上の風が強く、波が高い日は操業できません。この日は幸いにも取材が叶いました。

 

 

さて、ごらんの映像は野波瀬漁港を出港してから30分後のものです。大変申し訳ないことに、自前のカメラで撮れた映像はここまで。漁が始まると船は傾き揺れも大きくなります。とてもとても、片手でカメラを操作することができませんから、個人のカメラで漁の様子を映すことはできませんでした。そんな状況でも、ほっちゃテレビのカメラマン、萩原さんはプロですね。高い位置に登り、片手でカメラ操作をしていました。

 

 

漁場で停留中、乗組員のみなさんは船室で仮眠をとりますが、この揺れの中で眠れるのかな~とumisachiくんもごろんと横になりましたら、数時間眠ってしまいました。はっと目覚めて、船上にでたのが投網の開始直後の23時前。慌てて船上の邪魔にならない場所に登り、取材用のデジカメに持ち替えました。網の全長は800m弱もあります。ゆっくりゆっくり機械で網をまいてゆき、船上では機械で巻き取った網を乗組員5,6人の手作業できれいに広げながら折りたたんでゆく様は簡単なようでものすごいバランス感覚。当日の波は高くなかったのに、網をまき始めると船はぐらぐら揺れ片方に傾きます。網船が転覆しないよう反対側の左舷側からひき船がロープを引っ張る姿が確認できました。

 

そうしているうちに真ん中で水中集魚灯を照らしていた灯船が消灯。そしてするりと網をまたいで外に抜け出すのがみえました。これがumisachiくん的に今回のハイライト、「いったい、地下鉄ってどこからはいるんだろう」、と同じくらい灯船はどこから出るのだろう?の思いが強かったからです。それが、思いもしなかった方法で抜け出した瞬間、ひとり「おおーっ!その手があったか」と感嘆。後で聞いた話ですけど、灯船は船底のキール(竜骨)がスクリューから舵部分までカバーされて、網が絡まない形状なので、慣性で船を走らせながら投網の上をまたいでゆくのだそうです。

 

 

さて、網の輪は徐々に狭くなりました。いつのまにか運搬船が右舷前方から接近してきて、網船に密着します。網船から数名の乗組員が運搬船に乗り移り、お互いの右舷同士で網を巻き上げ始めました。魚群がどんどん固まってゆきます。クレーンを使って魚を大きな網ですくい取り、運搬船に移すこと数回、この網では50箱程の漁獲がありました。

 

網をまき始めてから運搬船に揚げるまで60分くらい、その後乗組員は網船に戻って次なる漁場へ向かいます。私たちはここで運搬船に移り、仙崎市場を目指しましたが、網船はこの後数回投げ網を行い、合計160箱ほど、2500kg近い水揚げがありました。
運搬船は網船の5倍くらいはあろうかというハイスピードで獲れた魚を港に届けます。鮮度を一番に考えるため、この時は2時開始の1番セリに間に合うよう行動していました。荷揚げした魚に打つ氷の質や量にもこだわります。運搬船は青海大橋の下をくぐり抜けるとスピードを落として仙崎市場に入港しました。

 

 

やがて南市場に接岸し荷揚げと進みますが、以降は、次回にレポートします。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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