通定置漁業組合さん乗船レポート 平成25年9月21日


今回は通定置網さん乗船レポートです。皆さまスヤスヤ夢の中、深夜2時に通定置網組合さんの仕事はスタートします。出港前に氷を積み込んで乗船開始。

今回は大津緑洋高校水産キャンパスの生徒4名が体験乗船という話を受けて、ながとケーブルテレビ HOT-CHA が取材です。オレンジのカッパと黄色の救命ベスト姿が生徒さん、まわりがベテラン漁師さんばかりで緊張気味です。

このあとにカメラマンさん、長門市商工水産課の担当さんも乗り込んで岸を離れました。通定置網さんの漁場は前回レポートしたのでこちらをご覧くださいね。10分くらいで船は定置網に到着。この夜のコンディションは月夜で中潮、南風。良いとはいえない状況でしたから2か所の網を上げることになりました。

金庫網で待機していた組合員と合流し箱網に向かいます。波はほとんどなく水面は月明かりをそのまま映していました。風もやんでしまったようです。

さて、揚げ網を始めてすぐに船尾のほうが騒がしい。「カジキがかかっとるけ止めてくれー」の伝令があり中団。40~50キロサイズのカジキが網に絡まっているんだって。だから、まずこのカジキを上げないと網が破れてしまうということです。

慎重に巻き上げて獲物を船上に引きずりあげました。途中で「シロじゃないか」(シロカジキのこと)という声も出てましたが、揚げてみればバレン(バショウカジキ)。浜値はシロの方が高いから一同はちょっぴり肩を落としてましたけど、気を取り直して、揚げ網再開。

カジキがもう1匹いました~。これはさっきのよりでかいぞ。かなり袋網が狭くなって、ついに向こう側のロープをクレーンで釣り上げます。

こうすると水面上ではバシャバシャ水しぶきがあがってきました。今夜はヤズが多めかな!さて、次は網ですくって水揚げです。

船上では値のつく魚を優先的に仕分けて氷をうちます。タチウオは噛みつくから別のカゴに分けます。下の写真で右端の乗り師さんが掴もうとしてるのは「ダツ」。「ダツ」も別カゴに分けていました。 ビデオには映せなかったのですが、2匹のバレンは船上で腹を開け内臓を取り除き、氷をお腹とエラに詰め込みます。こうしてすぐに冷やさないとカジキは死後すぐに体温が上昇するので、身が焼けてしまうのだそうですよ。

船は仙崎市場へ走っています。およそ漁場から20分ほど、この時は4時半に接岸しました。このあたりから写真がなくなっているのは、カメラのバッテリーが切れたためです、申し訳ありません(汗)4時半の市場のようすを映したかったんですが、次の機会に。

陸揚完了後は市場脇で氷を積み込んでから通へ帰港しました。

定置網漁業に限らず、網漁は月明かり、潮流れ、そして一番は風向きに漁獲が左右されます。こんな夜もあります。漁師さんたちは良くわかっていて、獲れても獲れなくても海の観音様に感謝の捧げものを贈っていました。通定置網伝統の慣わしだと伺いました。この姿にホッとして言葉がしばらくでてこなかったというのが本当のところです。

インターンの高校生4名、朝早くからお疲れさまでした。漁師になりたいと答えてくれた、宇部出身の生徒、疲れも見せずに最後まで目を見張ってましたね。彼らを見てて、「若い世代に大きな期待をして良いと思います」、とみんなに話したくなりました。

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