仙崎市場紀行「長門のシジミ」


申し訳ないのですけどご覧のとおりのピンぼけ写真(泣)、仙崎市場に箱立てされたシジミです。この日は8キロが3箱揚がりました。ズームしてみましょう。

立派なヤマトシジミですよね。一粒15~20mmほどありました。シジミは汽水域に生息する二枚貝で河川環境などの変化に敏感な生き物です。そのため国内の漁獲量は減り続け輸入シジミが増加していましたが、最近ではこの輸入シジミも減ってきてます。これは2005年に起きた中国産シジミの抗生物質汚染が関与しているのでしょう。

国内市場においては、お隣島根県の宍道湖産が有名。国内生産量のおよそ半分近くを占め、これに次ぐのが青森県となっています。山口県は天然シジミと縁が薄く、umisachiは仙崎市場にシジミが揚がるとは思っていませんでした。それにしても立派なシジミでしょ!このシジミは長門市の油谷湾にそそぎ込む、掛淵川で獲れるものです。この辺りの「人丸(ひとまる)」と呼ばれる地区には万葉時代の歌人、柿本人麻呂を祀った人丸神社があります。古(いにしえ)の時、この地を訪ねた人麻呂が詠んだとされる、

「向津具の奥の入江のさざ波に 海苔かく海士の袖は濡れつつ」

にある「奥の入江」とは、現在の大浦漁港あたりであるといわれます。奈良、平安の頃より長門では盛んに採貝採藻を行っていたことがうかがい知れますね。

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